◇聖書箇所: 列王記 第一 2章1-25節◇(6月4日) 「主は生きておられる。主は私を父ダビデの王座に就かせて、私を堅く立て、約束どおり私のために家を建ててくださった。アドニヤは今日殺されなければならない。」…1列王2:24 ダビデに代わって自分が王となる陰謀を企てたアドニヤは、それが失敗に終わり、ソロモンがダビデから王位を継承した時点で、本来、死刑に処せられるべきでした。しかしソロモンはそうせず、彼を家に帰らせました(1:53)。すると、命拾いしたアドニヤは、王となる野心を持ち続け、ダビデのそばめであったアビシャグを、妻として自分に与えるようにソロモン王に取り継いでほしいと、バテ・シェバのもとを訪れて頼み込んだのです(17節)。バテ・シェバはその依頼を承諾し、息子ソロモンにそのように頼み込みましたが、ソロモン王は、なぜアドニヤのためにそのように願うのかと訝しがり、その求めを拒みました。「彼のためには王位を願ったほうがよいのではありませんか」(22節)という母親への彼のことばから、アドニヤの企みを見抜いていたことがわかります。そして、「主は生きておられる」と主の主権を認め、王の権威によって、彼はアドニヤを討ち取らせたのです(25節)。アドニヤはバテ・シェバに言いました。「王位は私のものでした…それなのに、王位は転じて、私の弟のものとなりました。主によって彼のものとなったからです」(15節)。そう言いながらも彼は、野心を捨てきれずにバテ・シェバに接近したのです。そんなアドニヤに対してなぜ彼女が好意的だったのかは不明ですが、アビシャグへの嫉妬や憎悪が彼女のうちにあったのかもしれません。「あなたに一つの小さなお願いがあります。断らないでください」(20節)。バテ・シェバは、主に油注がれた王を、母親という立場を利用して支配しようとしました。しかしソロモンにとって、それは決して小さなことではなく、彼はそれを受け入れるのは主の御旨ではないと正しく判断して排除したのです。私たちもそのように、主の主権を認め、主の御旨がなるよう願い、私情を挟まずに正しく決断して行動する者でありたいと思います。 御旨にかなう判断をすることができますように。 |
◇聖書箇所: 列王記 第一 1章32-53節◇(6月3日) 「主が王とともにおられたように、ソロモンとともにいて、その王座を、わが君ダビデ王の王座よりもすぐれたものとされますように。」…1列王1:37 1章の後半には、ダビデからソロモンへの王位継承が、実際にどのようになされたかが記されています。ダビデは、祭司ツァドク、預言者ナタン、エホヤダの子ベナヤの3人を呼び、ギホンにおいて息子のソロモンに油を注ぎ、イスラエルとユダの君主として任命するよう命じました。すると、それを聞いたベナヤは、主がソロモンとともにおられ、その王座をダビデ王の王座よりもすぐれたものとされますようにと、ダビデがいる前で答えたのです。3人は王の指示を早速実行しました。そしてソロモンに油が注がれ、彼らが角笛を吹き鳴らすと、民はみな「ソロモン王、万歳」と叫び、新しい王を歓迎しました。一方、アドニヤ陣営の祭司エブヤタルの子ヨナタンは、ソロモンがすでに王座に着いたことをアドニヤたちに告げ、さらにダビデの家来たちもまた、ベナヤがダビデに答えたことをダビデに述べたと、彼らに報告したのです(47節)。「神がソロモンの名をあなたの名よりもすぐれたものとし、その王座をあなたの王座よりも大いなるものとされますように」。家来たちにそう言われたダビデはどう反応したのでしょうか…。彼は、寝台の上にひれ伏して、「イスラエルの神、主がほめたたえられるように」と言って神をあがめたとあります(48節)。かつてサウル王は、自分より人気のあるダビデに激しく嫉妬してダビデを殺そうとしましたが(1サム18:8,11)、ダビデは、自らの王位を譲ることにおいて、へりくだり、神の主権を認めてすべてを明け渡し、感謝をもって主をあがめたのです。ソロモンの名と王座はダビデのそれよりも大いなるものとなる…。それは主がもたらされる「祝福」なのです(47節)。それは、この世における地位、名誉、財産を越えた霊的な祝福なのです。またそれは、それぞれが神から託された役割を全うすることにより与えられる、天における豊かな報いなのです。私たちもダビデに倣い、自らの役割を謙遜かつ忠実に果たす者でありたいと思います。 主の御名だけがあがめられますように。 |
◇聖書箇所: 列王記 第一 1章15-31節◇(6月2日) 「王は誓って言った。「主は生きておられる。主は私のたましいをあらゆる苦難から贖い出してくださった。」」…1列王1:29 昨日から列王記第一を読み進めています。1章には、ダビデと妻ハギテの間に生まれた4男アドニヤが、年老いたダビデに代わって王座に就く野心を抱いたことが記されています。彼は、自分にくみする者たちと結束するためか、自分の兄弟たちや王の家来たちを招いて宴会を開きましたが、ダビデに忠誠を誓っていた預言者ナタン、ベナヤ、勇士たち、それにダビデと妻バテ・シェバとの間に生まれた腹違いの兄弟ソロモンには声をかけませんでした。すると預言者ナタンは、アドニヤの企てを阻止すべく動きました。バテ・シェバに対して、ダビデ王にアドニヤの陰謀を告げ知らせよ、そして、王位をだれに継承するのか、王座に就くのはソロモンのはずではなかったのかと、王に問いただすようにせよ、と助言したのです。バテ・シェバはそのとおりに行動し、ダビデ王に迫りました。またその場に途中からナタンも加わり、彼は、アドニヤにくみする者たちが宴会の席で、「アドニヤ王、万歳」と叫んでいたと王に伝えました。するとダビデは、バテ・シェバを自分の前に立たせ、「必ずあなたの子ソロモンが私の跡を継いで王となる。彼が私に代わって王座に就く」と、主にかけて彼女に誓ったのです(30節)。その際にダビデは、「主は生きておられる。主は私のたましいをあらゆる苦難から贖い出してくださった」と告白しました。彼にとってそれは、誓いの決まり文句のようなものではなく、本心からのことばでした。波瀾万丈に満ちた自らの生涯を思い返しつつ、主の恵みと真実を覚えて感謝をし、その主の御旨だけがなるようにと、主を畏れ、へりくだって、自分がなすべきことを主の前にしっかりと果たしたのです。そしてそれは、すべての聖徒たちが求められているあり方なのです。私たちも、主の御声を聴き、主のみこころを知り、主の促しと導きに従って速やかに決断し、行動する…そのような者でありたいと思います。 主の助けと導きがありますように。 |